初回発売日:
1985年
レーベル:
A&M
プロデュース:
リチャード・カーペンター
カーペンターズは、その美しいハーモニーと魅力的なメロディーで世界中のファンに愛されているアメリカのデュオです。1985年に日本で発売された4枚組ボックス・セット『アンソロジー』は、彼らの活動を振り返る上でとても重要な作品です。このアルバムはカーペンターズの代表的な楽曲がたっぷり詰まっており、特に日本で大きな成功を収めました。今回は、そんな『アンソロジー』について、その誕生の背景や収録内容、そして日本限定の魅力について紹介します。
1985年、カーペンターズは日本で『アンソロジー』という4枚組ボックス・セットを発表しました。この作品は、日本のファンに向けた特別な企画として、リチャードが自ら選曲や監修を行い、カレンの素晴らしい歌声を後世に伝えるために制作されました。日本では彼らの人気が特に高く、カーペンターズの音楽がファンに深く愛され続けていたため、このボックス・セットのリリースは多くの注目を集めました。
カーペンターズの音楽は、シンプルでありながら心に響くメロディ、そしてカレンの澄んだ歌声が特徴で、ファンにとっても心に残るものです。このような音楽の特別な集大成として企画された『アンソロジー』は、日本のファンにとって大切な贈り物とも言える存在となりました。
『アンソロジー』の最大の特徴は、その収録内容の充実さです。カーペンターズの代表曲に加えて、シングルのB面曲やアルバム未収録曲など、貴重な音源が多く含まれています。特に、1971年にリリースされたアルバム『カーペンターズ』に収録できなかった「バカラック・メドレー」のフル・バージョンが、このボックス・セットで初めて公式に発表されました。さらに、このセットにはシングル・バージョンの「イエスタデイ・ワンス・モア」とそれに続く「オールディーズ・メドレー」も収録されており、他のアルバムとは異なる魅力を愉しむことができます。
「バカラック・メドレー」は、作曲家バート・バカラックの名曲を繋いだもので、リチャードのアレンジが冴えわたる一曲です。バカラックの楽曲は、彼独特の優雅でリズミカルなスタイルが特徴で、カーペンターズがこのメドレーでバカラックが生み出した名曲の数々をアレンジすることで新たな息吹が吹き込まれています。リチャードの情感豊かなピアノとカレンの透き通るボーカルが融合し、カーペンターズがバカラックの音楽に対する敬意を込めて表現しているのが伝わります。特に、この「バカラック・メドレー」のフル・バージョンは多くのファンが待ち望んでいた収録であり、長い間、コンサートなどのライブパフォーマンスでしか聴けなかったため、公式リリースを喜ぶ声が多く上がりました。
『アンソロジー』には、彼らの名曲「イエスタデイ・ワンス・モア」と「オールディーズ・メドレー」が収録されていますが、ここで聴くことができるのは、シングル・バージョンとなっています。このバージョンは、彼らの5枚目のオリジナル・アルバム『ナウ&ゼン』に収録されているオリジナルのシンプルなトーンに加え、より豊かな演奏が盛り込まれ、楽曲全体の雰囲気がさらに華やかに感じられるのが特徴です。さらに、その後に続く「オールディーズ・メドレー」は、聴き応えのある仕上がりになっており、カーペンターズが愛した懐かしの楽曲たちへのオマージュを感じることができます。
『アンソロジー』のジャケットデザインも、アルバムの魅力を引き立てる重要な要素です。発売当初のジャケットは、赤地に金縁が施された紺色のロゴとリチャードとカレンのシルエット、そして「Anthology」の文字が描かれているものでした。このデザインは、豪華でありながらもどこかカーペンターズのエレガントさを感じさせるものでした。
レコードは1枚ずつ紙製のジャケットに入れられており、外箱の底面には愛蔵家ナンバーが刻印されていました。その後、ポニーキャニオンからCD化された際には、レコードのデザインを踏襲したものとなりましたが、1997年にポリドールから再発売された際には、デザインが一新されました。この新しいデザインでは、リチャードとカレンの写真がジャケットに使われ、より親しみやすい印象を与えました。
このように、『アンソロジー』のジャケットデザインは、時代と共に変遷しながらも、常にカーペンターズの魅力を伝えるための工夫が凝らされています。
『アンソロジー』は、カーペンターズの音楽遺産を後世に伝える上で重要な役割を果たしました。このアルバムを通じて、新たな世代のファンがカーペンターズの音楽に触れる機会が増え、彼らの楽曲が再び注目を集めることとなりました。また、日本での成功は、カーペンターズがいかに世界中で愛され続けているかを示す証でもあります。
カーペンターズの音楽は、時代を超えて多くの人々に感動を与え続けています。『アンソロジー』は、その素晴らしい音楽のエッセンスを凝縮した作品として、今後も多くの音楽ファンに愛され続けることでしょう。
* 曲目は初回盤に基づいて表記しています。
村田 博幸
Hiroyuki Murata
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